最近増えている、スマホ・バッテリーの火事
最近、「スマホの充電中に発火した」「モバイルバッテリーが原因で火事になった」というニュースを、以前より多く見かけるようになりました。こうした話を聞くと、「よほど乱暴な使い方をしたのでは」「古くて危ない物を使っていたのだろう」と、つい他人事のように感じてしまいがちです。
しかし、実際に起きている火事の多くは、特別な使い方をしていない、ごく普通の家庭で起きています。
その理由は、スマホやバッテリーが私たちの生活に深く入り込み、毎日当たり前のように使う道具になったからです。電話だけでなく、連絡、写真、買い物、調べ物と、一日中手にしている方も少なくありません。
そして夜になれば充電をする。この「毎日の繰り返し」が、知らないうちに事故の確率を高めています。
さらに怖いのは、火事の原因が大きな失敗ではなく、誰もがやってしまいがちな行動に潜んでいることです。布団の上で充電する、寝る前に充電したまま眠ってしまう、少し落としたけれど普通に使えているからそのまま使い続ける。
どれも「危険なことをしている」という意識は持ちにくい行動です。
火は、一度出てしまうと、あっという間に広がります。特に夜間や就寝中は、気づくのが遅れやすく、被害も大きくなりがちです。しかし逆に言えば、火が出る前に知っていれば、防げるケースが非常に多いのも事実です。
この記事では、怖さを強調するのではなく、「なぜ危ないのか」「どこに気をつければいいのか」を、順を追って分かりやすくお伝えしていきます。家と命を守るために、ぜひ知っておいてほしい話です。
落としても無事に見えるのに、なぜ危険なのか
スマホやモバイルバッテリーをうっかり落としてしまった時、多くの人はまず外側を確認します。画面が割れていないか、傷がついていないか、普通に動くか。そこで問題がなければ、「大丈夫だった」と安心して、そのまま使い続けてしまうことがほとんどです。しかし、この判断が後々の事故につながることがあります。
スマホやバッテリーの内部には、電気をためる部分や電気を通す部品が、非常に薄く、細かく詰め込まれています。落とした衝撃で、これらがほんのわずかにズレたり、傷ついたりすることがあります。外から見ても分からず、すぐに不具合も出ないため、異常に気づきにくいのが特徴です。
さらに注意が必要なのは、危険がすぐに表に出ないという点です。落とした直後は何ともなくても、使い続けるうちに内部で少しずつ負担がかかり、ある日突然、熱を持ったり、煙が出たり、最悪の場合は発火することがあります。
数日後、あるいは数週間後に起きることもあり、「あの時落としたこと」が原因だとは思い至らないケースも少なくありません。
人は「今、問題が起きていない」状態を安全だと感じやすいものです。
しかし、スマホやバッテリーに関しては、それが通用しない場合があります。見た目が無事でも、内部では静かに危険が進んでいることがある。これが、落とした後のスマホやバッテリーが怖い本当の理由です。
布団の上・充電しっぱなしが一番危ない理由
スマホやバッテリーによる火事で、特に多いのが「充電中」に起きる事故です。中でも危険なのが、布団の上や枕元、ソファの上など、柔らかい場所で充電する習慣です。冬場は特に寒く、手元にスマホを置いたまま布団に入る方も多いのではないでしょうか。
布団やクッションの上は、一見安全そうに見えますが、実はとても危険です。スマホや充電器は、充電中に少しずつ熱を持ちます。硬い机の上であれば、その熱は自然に逃げていきます。しかし布団の上では、熱がこもりやすく、逃げ場がなくなってしまいます。その結果、内部の温度が必要以上に上がり、発火につながることがあります。
さらに怖いのは、「充電しっぱなし」で寝てしまうことです。人が起きていれば、熱い、においがする、といった異変に気づけますが、寝ている間はそれができません。気づいた時には火が大きくなっていた、というケースも少なくありません。特に夜間の火事は発見が遅れやすく、被害が大きくなりがちです。
「少しの時間だから」「今まで大丈夫だったから」という気持ちは自然なものです。しかし、事故は“たまたま起きていないだけ”という場合も多いのです。布団の上での充電や、寝ている間の充電は、火事の危険を一気に高める行動だということを、ぜひ覚えておいてください。
これは危険のサイン|使い続けてはいけない状態
スマホやバッテリーの事故で特に怖いのは、「まだ使えるから大丈夫」と判断してしまうことです。画面が映る、充電できる、普通に操作できる。こうした状態だと、多くの人は安全だと感じます。しかし、火事につながった事例を見ていくと、発火の前には必ず小さな異変が起きていることが分かっています。
まず注意したいのは、「以前より熱く感じる」状態です。充電中だけでなく、何もしていないのに本体がじんわり熱い、手に持っていて違和感がある場合は要注意です。
熱は、内部で異常が起きているサインの一つです。「スマホは熱くなるもの」と軽く考えず、以前と比べてどうかを基準にしてください。
次に、「膨らみ」です。スマホ本体やバッテリーがわずかでも膨らんできた、机に置くとガタつくようになった場合は、非常に危険な状態です。内部で異常な圧力がかかっている可能性があり、そのまま使い続けると発火や破裂につながることがあります。これは迷わず使用を中止すべきサインです。
また、「焦げたようなにおい」や「いつもと違うにおい」がする場合も要注意です。目に見えなくても、内部で部品が傷んでいる可能性があります。においは、危険を知らせる重要な合図です。
充電の様子が明らかにおかしい場合も同様です。充電が異常に遅い、途中で止まる、ケーブルや充電器が異常に熱くなる。こうした変化が出たら、「そのうち直るだろう」と様子を見るのではなく、一度使うのをやめる判断が必要です。
大切なのは、「壊れてからやめる」では遅いということです。スマホやバッテリーは、危険な状態でも動いてしまうことがあります。少しでも「おかしい」と感じたら、それは体の痛みと同じ警告だと思ってください。無理に使い続けないことが、家と命を守る一番の近道です。
家と命を守るために、今日からできること
ここまで読んで、「気をつけなければ」と感じた方も多いと思います。でも、特別な道具を買ったり、難しい知識を覚えたりする必要はありません。大切なのは、日々の使い方を少し見直すことです。
まず、充電する場所を決めましょう。机やテーブルの上など、硬くて平らな場所が基本です。布団の上、枕元、ソファの上での充電は避けてください。特に就寝中は、できるだけ充電しない習慣をつけることが安心につながります。どうしても夜に充電する場合は、目の届く場所で行い、布団から離すことが大切です。
次に、落とした後の対応です。見た目に問題がなくても、一度強く落としたスマホやバッテリーは、その後の使い方に注意が必要です。しばらくの間、異常な熱やにおいがないかを意識して確認してください。「いつもと違う」と感じたら、無理に使い続けず、使用を中止する判断が大切です。
充電器やケーブルも同様です。傷んだケーブルを使い続けると、発熱や火事の原因になります。曲がりやすい部分が傷んでいないか、触って異常に熱くならないかを、ときどき確認してください。
そして何より大切なのは、「今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫」と考えないことです。安全は、運に任せるものではありません。少しの意識と行動の積み重ねが、家と命を守ります。今日からできることを一つでも実行して、安全にスマホやバッテリーと付き合っていきましょう。
今回はスマートフォンを例に挙げましたが、ハンディー扇風機やバッテリー内蔵のモノはかなり多くあります。
それら全てが同じリチウムイオン電池を搭載している事が多いので、気を付けて下さい。
スマホ・バッテリーで「やってはいけない10か条」
① 落とした・強い衝撃を与えた電池を、そのまま使い続ける
外から見えなくても、内部が傷ついていることがあります。
時間が経ってから発火する「遅れて起きる事故」が最も多い原因です。
② 布団・衣類・ソファなど、熱がこもる場所で充電する
電池は熱に弱く、逃げ場のない熱は発火の引き金になります。
③ 充電したまま寝る・外出する
異常が起きても気づけず、火事が大きくなりやすい行動です!!
④ 過充電を繰り返す(満充電のまま長時間つなぎっぱなし)
最近の機器でも、劣化した電池では負担になります。
電池の寿命を縮め、異常発熱の原因になります。
⑤ 逆に、長期間まったく充電しないまま放置する
電池が深く弱り、次に充電したときに不安定になりやすくなります。
「久しぶりに充電したらおかしくなった」は典型例です。
⑥ 高温になる場所に置いたままにする
夏の車内、直射日光の当たる窓際、暖房の近くは要注意。
熱は電池の最大の敵です。
⑦ 膨らんでいる・ガタつく電池を使い続ける
これは危険信号の中でも最終段階に近い状態です。
迷わず使用をやめるべきサインです。
⑧ 焦げたようなにおい・異音・異常な熱を無視する
電池は言葉を発しませんが、こうした変化で危険を知らせています。
⑨ 傷んだ充電器・ケーブルを使い続ける
電池本体だけでなく、周辺機器の異常も発火原因になります。
⑩ 「まだ動くから大丈夫」と安全を運に任せる
リチウムイオン電池は、壊れていても動いてしまうことがあります。
動作=安全ではありません。

